対話の状況を考慮した語彙選択手法〜敬語変換における検討

岡見吉章(東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科)
岩下志乃(東京工科大学コンピュータサイエンス学部)

1.
会話の状況に応じた対話文の敬語への言い換え
  • 言語表現は多くの曖昧性や多義性を内包しており、未だコンピュータが真の意味を捉えるには至っていない。
  • 人間は会話の状況に応じた言い換えを行っている。
  • 文脈の前後の流れを考慮しないと、文の意味を誤って捉えてしまう。

2.選択体系機能言語学(SFL)

  • 状況の文脈:活動領域、役割関係、伝達様式
    • 活動領域:何が起きているのか、話題は何か、という状況の変化
    • 役割関係:話し手と聞き手の社会的および場面的な役割は何か、という立場の違い
    • 伝達様式:どんな方法で、どんな媒体を通して行われるか、という伝達する際の手段の違い
  • 役割関係のみを可変として、適切な敬語表現を生成する。

3.敬語変換システム
  • 敬語:尊敬語、謙譲語、丁寧語、美化語
  • 処理の流れ
    • 構文解析:Cabochaを用いる
    • 敬語の形式決定:役割関係を品詞から割り出す→尊敬語か謙譲語に分類
    • 敬語変換:敬語辞書と活用型辞書を用いて言い換える

4.役割関係
  • 話者辞書:「私」や「自分」など話者に当たる主語を判定する
  • 対話相手辞書:「あなた」や「◯◯さん」など対話相手に当たる主語を判定する
  • 役割関係辞書:「学生」や「先生」など役割に当たるもので、話者と対話相手との人間関係の距離感となる数値を決定する

5.おわりに
  • 相手に応じた敬語変換を行う手法
  • SFLに基づいて状況の文脈の変化に対応する語彙選択を行う前段階として
  • 一文ごとに処理しており、文脈全体の意味処理には程遠い

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